西洋人と日本人の違い

(前回よりつづく)これは何故なのか? 西洋人が最も恐れるのは神である。日本人は神などではなく、恥をかくのが最も嫌なのである。西洋人は一人一人が神と直接結びついているので、他人がどう思うかは関係ない。一方、日本には西洋人のように一神教の存在しない社会があり、その社会で自身の立場を形成している。だから、己に対する他人の評価が常に最大の関心事であり、同時にこれはプライドに繋がる。
例えば車のワイパーが片方動かなくなったとする。これを作った下請け会社は大きな恥をかくことになる。それがブレーキなどの重要部品であったら事故につながり、二度と社会から相手にされなくなってしまう。そこの社長は実に面目ないと土下座する。ところが西洋人は直接神と結びついているので、神様のご加護が今後もありますようにとしか思わないし他人は関係ない。これは大きな違いである。
昔、父が ”西洋人は罪を知り、日本人は恥を知る国民” などと言っていたが、神を信じる国民を相手に長年暮らしてみるとこの事が良く分かり、なぜ父がこんなことを知っていたのか今でも不思議なのである。
近年はエアーバックの世界的大手である某日本メーカーで深刻な問題があったが、やはりこうしたことなのだろうか。欠陥部品による死者も出て負債総額は1兆円を超え、製造業では戦後最大の経営破綻をした。このメーカーがもし神を信じ罪を知る国民であったら、こうした事件は起きなかったかもしれない。だが私は、神を信じる国民が優れているという事を言っているのでは決してない。

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