女王蜂が突如いなくなると

2017.11.02

今日の午前中はめずらしく風がなく穏やかなので、以前より気になっていた巣箱の内検をした。というのは前回、群勢の強い巣箱に分蜂のリスクがあるので、一部の巣枠を他の巣箱に移す作業をしたのだが、突然に黒い雲がやって来て、大粒の雨が降り出し作業を中断した。あれからもう10日程にもなってしまったが、女王蜂の確認がちゃんと出来ていなかったことが気になっていたのだ。
その巣箱を見たら、大きな王台(女王を育てる巣房)が沢山できていて舌打ちしてしまった。というのは、前回の内検で巣房を他の箱に移動した中に女王がいたことを意味するのだ。女王が突如いなくなったので、蜂から見ればこれは一大事、死活問題で慌てて女王蜂を作るための王台と、その幼虫にローヤルゼリーを食べさせているのだ。そしてその中の1匹が既に女王として王台から首を出していた。
案の定、巣枠を移動した他の箱内には、誤って入れてしまった女王蜂が元気に動き回っていた。空の巣箱を用意して新女王蜂と内勤蜂、そして生育中の幼虫が入った巣枠の一部を取り出し、新しいファミリーを作るようにした。これでうまくゆけば別の蜂群ができる事になる。この時の巣箱は、画像にあるような専用の小型の箱を用意する。
やがて女王が受精して、卵を産み始めるとどんどん蜂群が活性化して来るので、時を見て通常の巣箱に移し変えることになる。この作業は花が咲き出した春が適期で、こうして群れを増やすには他にも色んな手法があるが、このような方法ばかりを繰り返していると種の多様性がなくなるので、時には他から女王蜂を購入することもある。最近はハチミツの世界的な人気で養蜂をやる者が増え、女王蜂の値段が高騰している。

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