ミツバチの毒針について

前回はミツバチに刺され不快な思いしたという話をしたが、ミツバチの毒針についてはわざわざこの毒を利用する療法がある。蜂針療法(アピセラピー療法)と呼ばれ、通常は生きているセイヨウミツバチの毒針をピンセットで抜き、器具を使って患部に刺入するやり方と、少し手荒だがミツバチを抓んで直接患部に刺すなどの方法(写真)がある。いずれも今まで生きていた蜂を使うので蜂にとっては残酷な事である。一匹の毒嚢には 0.2mg の蜂毒があり、その成分は様々な酵素類以外にも何十種類もの成分が含有され、これが相加、相乗的に様々な効果をもたらし多くの疾患に効くという大昔からの伝承がある。現在でも歴史をもつ代替療法として知られている。特に神経系や免疫系の恒常化に効果ありとされている。民間療法として何千年もの歴史があるので、その有効性がかなり期待できるのだろう。
こちらでもハチに刺されると風邪にかかりにくくなるという話がある。欧州の公立研究所の職業別ガン発生率によると養蜂家が癌になる率は非常に少なく、その理由としてミツバチにいつも刺される機会が多いからだと結論づけている。

前回のブログで話した刺された右目の瞼は、その後怖ろしいほど腫れあがり氷で冷やさざるを得ないほどだった。正に男版四谷怪談の ”お岩” であり実に冴えない。しばらくして気付いたのだが、瞼に毒針と毒嚢が刺さったままになっていた。面布を被って作業中だったので、そのままにしていて毒針を抜くのを忘れていたためだ。こうした状態が一番悪く、毒針が刺さったままだとミツバチの身体からもぎ落ちても毒嚢が収縮し、どんどん毒を送りだし注入するからだ。もろに 0.2mg の毒液が身体に入ったことになる。仲間のビーキーパーの話では、蜂毒を集めてマヌカハニーに混合すれば下手な薬より余程マシだと言う。特にリウマチ・神経痛には最高に良く効くという。だがそのためには、それ用に多くのミツバチを犠牲にしなけらばならず、私にはとてもできない事だ。

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