マヌカ花蜜分泌もいよいよ終盤

真夏の当地は蜜源であるマヌカ樹木の花蜜分泌も段々と終わりに近くなってきて、フレームにある貯蜜が全面蜜蓋されたもの(水分除去後、蜂によって巣房にワックスで蓋がされる)が多くなってきている。ほぼ完熟蜜となってきた。多くの養蜂家はもうとっくに収穫し離蜜をして大型容器にため込むのが普通だ。しかし私のところは敢えてまだそれをしない。蜜の追熟が必要であるから慌てて巣箱から取り出さない。やはり蜂蜜は巣箱内の環境に置いておくのが一番良いし、マヌカ蜜の特有成分であるメチルグリオキサール(以下本文略MGO)の活性を出来るだけ得るには、ある程度の期間がどうしても必要なのである。それは花蜜に含まれるMGOの前駆体である、ジヒドロキシアセトンがゆっくりMGOに変化してゆくためには一定期間、巣箱内環境に置くことが最も良いと思っているからである。

通常、量産体制で商業的に生産している業者はこのような繊細な考え方はせず、マヌカ・カヌカはじめクローバーなどの雑蜜が混合された蜜を収穫して分析所に提出し、成分分析結果の数値がでればそのまま商品化してしまうのである。これでは活性度の高い製品を得るのは不可能だ。その方が生産量も多く面倒もなく、それで儲かればそれ以上の仕事には興味がわかないのであろう。この事は特に大規模養蜂に言えることで、小規模養蜂家はそうした考えよりも職人的な気質で生産している生産者が多い。将来的にはこうした養蜂家でグループを作り、大規模生産者の製品とは一線を画した品質の向上に心掛けたく思っている。

関連記事

もっと見る